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16 新 環 管卜 第 21 号
平 成 16 年 5 月 20 日
春 日 武 夫 様

新 宿 区長 中 山 弘 子

百人町4丁目戸山団地内区道整備に関する質問について(回答)



 お手紙拝見いたしました。日頃より区政にご協力いただきありがとうございます。
 春日様のご質問にお答えさせていただきます。

○全般について
  個々のご質問にお答えするに当たり、この度の提案全般に関する区の見解を説明させていただきます。
  区では、この百人町三・四丁目地区を広域避難場所としての機能強化と良好な居住環境の整備と保全を図ることを目的とした地区計画を定め、道路・公園等の施設整備を推進しています。ご指摘の区道22−1050号線(延長約120m、幅員10m、以下「この路線」と呼びます。)については、地区計画により定められている道路ではありませんが、周辺の都営住宅の建替えにあわせて、より安全で快適な道路となるよう道路の改修を計画してまいりました。
  この路線は、現在一般交通の用に供していること、震災時の応急作業や避難活動の選択肢を広げるなどにより、円滑な緊急活動の履行が可能となることなどから、最低限の車両通行機能の確保が望ましいと考えています。一方、沿道の車両利用が地形の関係上極めて限定されており、通過車両台数も少ないなどの特性もあります。
  区では、歩行者優先を道づくりの課題と捉えていることから、警察・消防等関係機関との調整とともに、地域の皆様方の幅広い意見、要望、住民感情等を集約して整備方針を決定するよう心がけてきました。歩行者の安全性や快適性などに配慮した整備素案を作成して、地域合意を図ってまいりましたし、春日様へも提示しているとおりです。
  春日様提案の趣旨に地域の合意が得られるならば、車両通行を排除した方針に基づき、警視庁等との協議を進めることは可能と考えております。しかしながら、地域に根ざした団体である町会、自治会等を通じ、この車両通行止め問題の考え方をお伺いした結果、百人町三丁目及び戸塚四丁目南町会からは、車両通行は確保してほしい旨の回答を得、戸山団地自治会からも、周辺町会の意向には同意する回答を受けています。
  また、区が意見交換の場を設けることを拒否した事実はありません。「自治会や町会を始め、地域の方々と直接お話になってみてはいかがですか。もちろん、区の職員が同席することも吝かではありません。」と再三申し上げてきたとおりです。 
  今後は、樹木の種類や配置などの整備内容や整備後の維持管理など、皆様のご意見をお伺いしたいと考えています。きれいな花の咲く桜が良いといった意見や、落ち葉が汚く、その清掃も手間なので常緑樹が良いなど意見も様々ですが、地域の皆様が意見を交換し合い、より愛されるみどりの創出にも努めてまいりますので、地域の事情にもご配慮いただき、ご理解とご協力をお願いいたします。
  なお、この路線は既に一般交通に供用しているため、車両通行の排除を行う場合には道路交通法による規制措置の変更が必要となりますが、このことについては警視庁の所管事項となります。警視庁においても、地域の合意が得られれば検討はできるとした見解であることを申し添えておきます。


○設問1について
  まず、冒頭の部分を含め、区と地域町会、自治会との協議態様に疑念を抱いていること及び春日様の求めるところの「意見交換の場」が実現できない理由に納得できないことについてお答えします。
  春日様が綾々主張されている事実関係については、区及び町会・自治会長の認識と乖 離した部分も多々見受けられます。区では、この路線の整備に当たり、昨年度から百人町三丁目 700 世帯、高田馬場四丁目 312 世帯、戸山団地 1165 世帯を組織する地域で認知された町会、自治会の代表者の方や役員の方々と整備に関する協議を進めてきました。同時に、沿道の方や関連機関等とも協議を重ねています。
  また、集会形式での意見交換会についても、地域町会、自治会と協議をしております。その中で、開催に関する町会・自治会側からの合意を得ていない現状に鑑み、区ではまず、町会側役員レベルとの意見調整を図っては如何かと、重ねて提案しております。
 集会形式での場を設けることを拒否した事実はありません。春日様のご意見にあるような良い方法を探る、そのためにも、地域の皆様とともに、実りある集会にするための道筋を考えていきます。
  このようなことから、「区民と行政のパートーシップによるまちづくり」、即ち、地縁組織や関係諸団体との信頼関係を基礎として協働に関する共通の認識を深め、団体等の自立化を尊重しつつ問題解決を図るとした理念を推進しているところです。今後も、一人でも多くの区民に、信頼関係に基づく行政とのパートナーになっていただくよう努力をしてまいります。

○設問2について
  この路線を媒体として、地域住民の生きがいや社会参画を創出することについて、何ら異存はなく、むしろ区がより積極的に関与すべきことと考えます。ただこの路線において問題なのは、車両通行を排除した道路整備に地域町会が異を唱えている点です。
  区では、この路線の整備に関し、地域との一定の合意に基づき、多くの住民の意見等を反映させながら進めていきます。したがって、協働の試みや成果についても、共通の認識や価値観、相互信頼関係があってこそ得られるものであり、この旨春日様へもお伝えしていると考えています。
  道路の特性として、安全や環境対策等その整備方法には様々な制約もありますが、協働推進の視点に立ち、街路樹関係やベンチ等の道路付属物などについて、地域と連携した上で工事を行ってまいります。
  なお、工事完成後の維持管理についても、植栽地の清掃、水やり、木・花の植栽などについて、地域の皆様との協働関係を築くことも検討しています。

○設問3について
  区では、東京都福祉のまちづくり条例などに基づき、高齢者・障害者に配慮した道づくりを進めております。この路線整備に限らず、従前より関係機関と連絡を密にしていますので、今回改めて福祉担当課に意見を求めることはしておりません。

○設問4について
  この度の提案に関わる主な背景として、平成2年当時の都市計画資料を参考にされていると思料しています。たしかに、当時の図書にはこの路線の記載はなく、住宅建設用地の一部に取り込まれています。
  しかし、都度説明させていただいているように、当時の考え方は、中低層都営住宅建設と関連した計画であり、その後都の住宅政策変更に伴いこの路線が存続している状況となっています。区では、今この時代を生きる地域住民の意見、要望、感情を尊重することが大切と考えることから車両通行を排除しようとする春日様の提案に対し、必要最低限の機能は確保してほしいとする町会側の見解を踏まえ、同意できない旨回答しているものです。
  なお、戸山団地自治会においては、地形上から、この路線に係わる車利用の可能性はありません。当然、車両通行排除に伴い利益を受けることにはなりますが、周辺町会の意向に理解を示し、最低限の車両通行確保は止むなしとしている事実はご承知のことと思います。

○設問5について
  都の住宅政策や入居者の構成、また、部屋(施設)とともに心のバリアフリーをどうするのか、さらには団地のコミュニティー問題等などについて、春日様の想いとして折に触れお伺いしてきました。
  区では、このような課題を福祉政策、住宅政策全体として、都と連携しながら対応しております。この路線の整備に関連して、技術的な分野やみどりの創出など可能な限りの対応を図ることは当然ですが、全ての問題をこの路線に特化して解決することは困難です。広大な戸山団地敷地内を、憩いやふれあいの空間として再生するよう検討してみてはいかがでしょうか。春日様が既に提案されているような、道路に接した一部の敷地利用のみでなく団地敷地全体を、散策路や休息スポットなどを意識した場として見直すことは、充分価値があると思います。

○設問6について
  春日様のご主張によれば、この路線を、季節感あふれる叙情豊かな広場、緑道として整備を行うべきであり、そのためには全て車両通行を排除しなければ、求められる公共性が機能しないとされています。
  しかし、地域の皆様の考えは異なるものがあります。散歩などの楽しみ方やベンチの利用形態、地域コミュニティーのあり方などについては、多様の選択肢が考えられるとして、車両を通しつつ歩行者に配慮した整備要請を、町会を通じ地域の総意として受けております。また、本来的には車両通行止めが望ましいとは思うが、地域の声には協力したいとする戸山団地自治会の見解も伺っています。地域における町会、自治会との関係は、都度説明させていただいているとおり、地域を代表する組織団体として、その意見、要望、地域感情など重く受け止めています。従って、現在のところ、地域の総意としての合意が得られない以上、この路線の、車両通行排除を前提で整備する考えはありません。
  春日様には、ご満足できない部分もあるとは思いますが、今後とも、町会及び自治会を中心として、その他関係機関等とも連携をとりつつ、街路樹や舗装構造等についての整備形態を決定していきます。今後とも、ご理解とご協力をお願いいたします。
 
問合せ担当課 環境土木部道とみどりの課計画係  



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