2004年4月22日
新宿区長 中山 弘子 殿
質問事項
設問1
まず道路整備計画の進め方です。担当者は、住民の意見を聴いてといいながら、近隣町内会長と、しかも個別に会って一人でまとめようとしています。公平にと本人は思っていても、自分に都合のいいように案件を伝え、都合のいい部分を聴いてしまうことは多々あるでしょう。現に、団地会長には警察庁がうるさいのでといったそうですが、私にはそれが特段の理由ではないと話していました。住民の意見を聴くというのなら、一度でもいいから地域の住民に広く声をかけオープンで集まってもらう、意見交換の場を設定していただけないかとお願いをしましたが、できないというお答えでした。また私の提案に対しては、いろいろな意見の方がいますから個々の意見を聴くことは難しいと、暗に拒否していました。それならなおのこと、いろいろな意見をもってる方に集まってもらい考えや立場をお互い聴き合うことによって、問題を深めながら良い方法を探ることが大切となるのではないでしょうか。それでこそ、協働であり、地域の特性を配慮した進め方になるはずと考えます。しかし担当者は、それでは対立が生じるのでそれを避けたいといい、地域住人に広く声をかけることをするつもりはないようです。
「区民と行政のパートナーシップによるまち」づくりに重点を置こうという新宿区の基本構想から、およそ離れてると思うのですがいかがでしょう。
設問2
協働とは何か、できるだけ多くの住民が関わることによってその案件が、地域住民が地域に愛着をもてるような結果を生むのでなければそれほどの意味はないので、きれい事で終わってしまうでしょう。既成の公園を管理してみませんかと呼びかけられたとしても、なかなか人は動かないようです。しかしその場所の計画時点から少しでも関わったとしたら、後々まで気になり自然とそこに足が向くようになるのではないでしょうか。計画時点から住民が関わりその後の管理もある程度担っているという他区での幾つかの試みが本に紹介されてもいます。提案書でも触れたように、住民の生きがいや社会参加の創出も期待できるかもしれません。地域コミュニティの点からみても好転を期待できるのは、改めて私がいわなくても「新宿区・地域との協働推進計画」に盛り込まれています。
区道を考えることは、協働に似つかわしくないというのでしょうか。担当者からは、このような私の疑問に対して、まったくといっていいほど返事をいただいていません。
設問3
新宿区は、環境基本計画を策定し「ともに環境を改善する」「緑豊かで、安全快適なまちをつくる」等の基本目標を立てました。開発一辺倒で失われた自然や人間関係などに関し、直接関わる地域住民とともに改めて目を向けようとしている大きな流れがあると思います。新宿区はそのための土地利用などで大きな制約があるでしょう、それだけに可能なところがあったらじっくりと検討しようとしなければ、緑豊かなまちというスローガンをあげても、実現はいつのことになるか分かりません。屋上緑化も大切です、街路樹の活用も大切です。それだけでなく、今後の車社会のあり方をも視野に入れながら、弱者(高齢者や子ども等)にとってやさしい、安心できるまちを考えることは、とても大切だと思います。
そこで、計画係だけで進めるのでなく、この地域には高齢者の方が大変多いという特性もありますし、例えば福祉係の意見を求めたりできなのかとも話しましたが、これにも返事をいただいてません。
設問4
提案内容に具体的に入ります。歩行者専用にという私の提案に対し、少数といえども車利用者がいる限りそれができないという計画係の返事です。実状をみますと、平成15年度の都市計画の変更により90m先に1号街路が整備されるのだし、現実にタクシーが休んでることが多いだけの当該区道がなくて困るような人がどれだけ本当にいるのかという疑問もあります。いろいろな条件を示さないまま、車利用者にどちらがいいかと問えば、それは車が通れた方がいいと答えるでしょう。しかし基を正せばこの区道は、平成2年の都市計画で建替え住宅敷地に組み込まれなくなるはずであったのが、住宅建替え基本計画がいつの間にか変更になって残ることになったものです。広域避難場所としての機能をもつように考えられた平成2年の都市計画決定に際し、車利用者のことをどう考えてたのでしょうか。車利用者の強い反対があったのでしょうか。担当者は、「以前は以前で今と状況が違う」というような私にはまったく理解できないことをいい、ただ車利用者がいるのでの一点張りで歩行者専用とすることはできないというお話でした。
私が理解しようとしないからなのか、第三者であればそのような説明で納得できるものなのか、それならしかたがありませんが、それが譲れないほどの決定的理由となるのか、できれば地域住民を交えたところで、納得できる説明をお願いできればと思います。
設問5
さらに提案書でも触れていますが、地域の特性を考慮して欲しいということです。以前の建替え基本計画では、多世代の混住が望ましいといっていたにも関わらず新しい住宅での1ルームの多さは気になります。高齢者のそれも単身者が大変多いことを如実に示しています。では、高齢者のためにどのような配慮がされてるか、部屋はバリアフリーとなっていても、部屋から一歩外に出たときの、特にメンタル面でのものは皆無のようです。将来1700余の戸数を数える団地のコミュニティをどうするかも私には見えません。福祉の視点から、住みやすい新宿区という観点からも考えての判断ができるようであればなおよいのですが。このような問題を毎回提起しても、担当者に答えていただいてないというのが私の実感です。
設問6
担当者は、歩道を広くとり街路樹も植栽するからいいではといいます。私は、本当に安心してゆったりと豊かな時間を過ごすには、車が通る所では無理だと考えます。たかだか植樹帯を含めた4mの歩道ができたとしても、やはり通過をするためのものでしかないでしょう。無理をしてベンチを置いても利用されることがほとんどないでしょう。良好な人間関係が生まれることも期待できません。人と人とが関われるようなコミュニティ広場を、四季の移ろいを感じられる道くさ自由の曲線を描く緑道は、歩行者専用にしなければできません。このようなことも、求められる公共性ではないでしょうか。車の方にほんの少しがまんしていただくことを、検討してしかるべきことと思いますが、いかがでしょうか。
西戸山幼稚園の園長先生も、そうなったら子どもたちにとってもとてもいいですねとお話ししてました。
戸山団地会でも幹事会での問いかけで、そうなったらいいねというのが大半だったようです。 しかしながら、百人町3丁目町会は役員会において、車道をギリギリに抑えても車が通る道をと決めたようです。そして、区の担当者は、だから車を止めることはできないのだ、3丁目町会の言い分を私に聴けといいたいようです。
今一度、いろんな視点から検討していただければと望むものです。